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小論文とは何かreport

作文から小論文へ

 小学校、中学校で書いた読書感想文や、動物園や工場見学などの後に書いた見学感想文は作文でした。あなたが感じた、感情、情動を、率直に、事実関係を踏まえ、書いていきます。その際、読み手を飽きさせない、読み応えが感じられるような技法として、文章の段落は「起承転結」で書くことが推奨されました。作文の良し悪しは、読書であれば、その図書が伝えようといているメッセージをピント良くつかんで、そのメッセージから生じた感情を、表現豊かに、「面白く」、「興味深く」、書けているかです。
 繰り返すと、作文の出来不出来は、図書や見学対象が放っているメッセージをつかんでいるか、その反応としての情動、感情を、形容詞、副詞、擬態語、比喩などを使って、豊かに表現できているか、です。また、テレビのニュースや見た時や、新聞のニュースを読んだ時に沸き起こる感情を書いた文章も、また作文です。
 作文とは、著者の、心の変化を軸に書く情感あふれる文章である、とも言えます。小学校、中学校では、作文を評価し、成績をつけています。その評価の基準は、上記で述べた、@対象からのメッセージをとらえているか、A対象に接して反応して起きた情動を豊かに描写しているか、であり、形式面は、厳しくは見られず、起承転結の四段落程度にまとまっているかぐらいがチェックされます。


小論文のルール

 作文が情感を伝える文章だとすれば、小論文は問いとその答えを書いた文章であり、いっさい情感は入りませんし、感情を表現することは控えます。小論文は、論理的に、問いと、その答えを、理路整然とつなげて、論述していく文章であります。しかも、いろいろなルールに従って書く必要があります。ルールを破ってしまうと、その分、減点されます。
 ルールの一つ【ルール(1)】は、テーマを定めてから書くということです。
テーマは別の言い方をすれば「対象」です。しかも、ある学問分野の中で「対象」を決めます。小論文は、入学試験や、編入学試験で、受験生を振るい落とす手段として使われていますので、必ず、試験形式で小論文が出題されます。つまり、出題者が、学問分野を決め、その学問分野の中の、さまざまな構成単位の中から「対象」も決めてしまいます。従って、受験者は、与えらえた対象について、小論文を書くわけです。
 小論文は「対象」について書くわけですが、対象を静的に、写生しているわけではなく、その「対象」の中での、何らかの動きである「現象」について論じるものです。例えば、社会学という学問分野で、街というものを対象にした場合、その街の中で、様々な動き、現象が起きています。街の中で、コンビニが増えているという現象、街の中で書店が減少しているという現象、街の中で歩行補助車を押したお年寄りが増えてきたという現象など、大小さまざまな現象が起きています。
 この現象の中の何かが、出題の際に、対象+現象のセットで提示されます。この指定された学問分野の中で、指定された「対象+現象」について論じていくものが小論文です。
 さらに、問いです。問いとは、その現象がなぜ生じているのか? になります。街という「対象」の中で、コンビニが増えているという「現象」が、なぜ起きているのかが「問い」となります。
 つまり、小論文試験とは、「対象+現象+問い」がセットになったものに答える文章である、と言えます。従って、ルールとは、与えられた「対象+現象+問い」に従って、そこから逸脱しない、勝手に、現象や問いを変えたりしない、ということです。


小論文のルール2

 次に、実際に小論文を書く際にもルール【ルール(2)】があります。まずルール【ルール(2)】として、この「対象+現象+問い」に答えて書く場合、問いに対する@答えと、そのA理由、根拠を書いていくことになります。答えとその理由は、一般的に、定説的に、言われているものを書くことになります。
 従って、指定された学問分野の基礎的な知識が、予めないと、定説を知らないわけですから、書くことが困難になります。学部学科が決まって、編入試験で取り扱われている学問分野が分かったら、その学問分野の基本書をしっかりと読み込んでおくことが大事です。社会学という学問分野であれば、社会学の基本書を一冊を、しっかりと読むことが、編入試験の小論文を書くための必須の事前準備となります。
 つまり、指定された問いに対して、その学問分野では常識である定説的答えとその理由を記述することが、小論文の中心的作業になります。あなたの勝手な思い付きや、人から聞いた伝聞を答えらしき、理由らしきものとして書くことではありません。
 出題者が、このような定説的答えと理由を書けるかどうかを小論文に求めているのは、大学に入るにあたって、基礎的な専門知識を知っているかどうか、そして、その基礎的な専門知識を、論理的に記述できるかどうか、を確認したいからです。知っていることと、それを論理的に記述できるかどうかは別物です。知っていても、まともに書くことができない人もいます。大学に編入した後、論理的な文章を書くことができるかどうかも小論文試験でチェックしているわけです。
 以上のルールに従って、小論文を記述すれば、小論文としての合格点(100点満点であれば60点)になるはずです。後は、段落、文体の乱れ、誤字などで減点を受けます。


小論文を書くための準備

 小論文の時は、固定されていた「対象+現象+問い」に対して、答えとその根拠を書く作業でしたが、レポートは、「対象+現象」までが固定で、「問い」を皆さんご自身で設定して書くというものです。レポートについては、別途、説明します。小論文、レポート、そして、大学の終わりに執筆する卒後論文の違いも別途、説明します。
 では、以上の小論文のル―ルを知った上で、実際に小論文を書く前に準備をすることをお勧めします。
それはインプットです。
 小論文を書くという作業はアウトプットです。質のいいアウトプットをするためには、事前に、インプット作業をしておく必要があります。インプットが不十分だと、薄い内容のアウトプットや、古ぼけた内容のアウトプットをしてしまうリスクが高くなります。
 インプット作業には、二種類あります。いずれも単純な作業ですが、コツコツと続けることで、皆さんの小論文を書く基礎力がどんどんと上昇していきます。
(1)専門基礎インプット
 皆さんが目指す大学の学部学科3年次でのコア学問分野の基本書を丁寧に精読する作業をはじめてください。読んでいくと、専門用語や専門概念がたくさん出てくると思います。最初はピンとこなくても、基本書1冊を通読し、読破してください。これらの専門用語が、アウトプット作業で小論文を書く際の、大切なキーワードとなり、小論文の質を高めます。また、専門概念を知っていることで、小論文の課題をより良く理解でき、ピントの合った答えとしての小論文を書くことが出来ます。
 抽象的な話では分かりにくいかと思いますので、具体例をあげます。
 3年次編入で、人気学科の一つである、駒澤大学のGMS(グローバル・メディア・スタディーズ)学科の、小論文対策では、インプットとして、次の基本書を何度も通読することをお勧めします。「よくわかるメディア・スタディーズ
(2)時事的インプット
 小論文の課題問題の形式として、「専門分野と時事的なトピックを混ぜた問題」が出る場合があります。例えば、上記のメディアスタディーズの場合、映像というメディアについて、基本書で詳しく説明されていますが、実例としては、ニュースで報道されるネットフリックスの動向を加味して、課題として出題される、と言ったケースです。
従って、(1)の作業が最重要ではありますが、完璧な対策とするためには、(2)として時事的なインプットも持続的にすることを強くお勧めします。なぜなら、この時事的なインプットを続けると、面接対策にも直結するからです。このことは面接対策のページで説明していますので、参照ください。
 また、編入試験の合否を左右する質の高い「志望動機書」を書くためにも、この時事的なインプットをしておくと、大きな効果が現れます。具体的な時事的インプットですが、編入予備校などでは、テレビのニュースを見ることを勧めているようですが、映像で見たものは「感覚」として受け止めてしまうため、後々の思考作業である、小論文アウトプット作業で、うまく機能しない弱点があります。できれば思考作業が伴うインプットをする方が効果が高いと思います。
 それは何かと言えば、新聞を読むことです。新聞の記事は十分に吟味された完成度の高い文章です。それを読む際には、考えながらでなければ読解できません読み→考え→理解する、このプロセスが働くのが、新聞を読むという作業です。
 上記のメディアスタディーズ分野であれば、人文系の新聞記事(映画、演劇、音楽)を読むことで、たくさん「考えさせて」くれますし、基本書で使われた専門概念が実例として、最新の例として、示されています。
 人文系の学部学科を目指す場合は、人文系記事が豊かである朝日新聞をお勧めします。また、経済経営系学部を目指す場合は、経済記事、産業、業界記事が圧倒的に豊かである日本経済新聞を読むことを強くお勧めします。
 新聞を読んでいきますと、「気になる記事」をとっておきたくなります。その記事をハサミで切り出して、大きめのノートに貼って保存するスクラップ作業をすることになります。しかし、編入試験準備をする過程では、時間の節約を考え、電子版新聞を利用する方をお勧めします。電子版であれば、「気になる記事」をタップするだけで、保存されます。切ったり、貼ったりといった作業時間が節約できます。念のため、朝日新聞の電子版を説明している朝日へのリンクを貼っておきます朝日新聞の電子版サービス「朝日新聞デジタル」
 これらの、(1)と(2)のインプット作業を半年以上続けることが出来れば、小論文を書くというアウトプット作業の「質」は、別次元のレベルまで、上がると思いますし、皆さんの「小論文アレルギー」は消滅し、「小論文好き」へと変身していることでしょう。
 この次は、具体的に小論文を書き始めるテクニック編となります。このテクニック編は別途にページをアップします。お待ちください。
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