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新しい視点で大学に進学する University Transfer

レポートとは何か (1)report

レポートとは何か?

 大学の講義を受講し、その講義内容を@どれだけ理解し、A理解したことを使って、現実にある問題を論じること、ができるかどうか、を測ろうとする試験です。
試験ですが、自宅や図書館で作成できますし、ご自分が書いてきた「講義ノート」や、その他の参考書も参照して、書くことができます。このレポートは、つまり、講義を担当している教授に対して、「私は、あなたの講義をこれだけ理解していますよ」というメッセージをリポート(報告)するものです。

 もちろん、「あなたの講義を理解しています」と簡単に言ったのでは、信じてもらえないわけですから、本当に理解しているなら、「こういうテーマについての問い」に答えられるだろう、ということで、レポートの課題が出されて、指定された文字数で、文章を書かせて、教授に提出させるわけです。
 その際、教授が読む文章として、読みやすい形式が、論文形式になるわけです。教授は、論文形式で書かれたレポートを、@形式面で正しく記述されているか、A内容面で、講義の内容をふまえた展開になっているか、を確認し、採点化します。
 この@の形式面ですが、次の構造で説明しますが、各パートごとに、書くべき内容が定まっていますので、そのルールを守って書いているかどうかをチェックされます。ルールを逸脱したことを書いていれば、その部分が「減点」となります。
 繰り返しますが、レポートは、原則として、その科目を担当している教授に、あなたがその科目で講義された内容の「重要な部分」を理解し、自分のものにしているか、どうかを見定めようとする試験です。
 ここで、講義された内容の「重要な部分」と言いました。大学は2学期制をとっているところが多いですので、前期(4月〜7月)と後期(9月〜1月)に分かれています。この前期または後期で15回の講義が各科目で実施されますが、15回の講義のすべてをまんべんなく理解することは困難です。担当する教授も、そこまで酷なことは思わないと思います。その15回の中で、教授自身が、「ここは大事なところだよ」、とか示唆する内容があります。その部分が、学生にどうしても理解してもらいたい内容となりますので、正確にノートを取り、復習すべき箇所です。
 レポートでは、全15回の中で、その重要な部分の理解を問うカタチで、課題が出題されることが多いはずです。


レポートの構造

 レポートは、論文の形式で作成されます。序論、本論、結論の3つのブロックに分かれます。各ブロックは、複数の「パラグラフ(paragraph)」から構成されています。
 パラグラフは、一つの意味ある内容を述べた区切りです。パラグラフは2〜3センテンスのものもあれば、10〜15センテンス、あるいは数十センテンスを使って、述べているものもあります。たとえば、国際情勢を分析するレポートで、東アジアについて述べる場合、まず韓国について述べたセンテンスの集合が一つ目のパラグラフとなり、次に、中国について述べたセンテンスの集合が二つ目のパラグラフになる、といった具合です。日本について述べると、三つ目のパラグラフになりますね。
 このように、何か意味ある内容を書いたセンテンスを集めたものがパラグラフです。各パラブラムのセンテンスは1つである場合もありますし、センテンスが10本ぐらいになることもあるでしょう。なぜなら、1つのセンテンスだけで、正確に伝えきれるかどうか分からないからです。同じことを説明したい場合でも、Aの視点から説明したセンテンス、だけでなく、別のBという視点から説明したセンテンスも加えることで、読み手は多面的な説明を読めて、理解がしやすくなります。

    パラグラフ=複数のセンテンスから構成され、1つの意味のある内容を伝える文のかたまり

 レポートは、序論、本論、結論の3つのブロックで成り立っていますが、この各、序論、本論、結論それぞれがパラグラフから構成されています。そのパラグラフがいくつか集まったブロックが、序論となり、本論となり、結論となります。
 まず、序論についてから解説していきます。
序論は、3つの異なる内容/要素のパラグラフから構成されています。序論を構成している中身は、次の3つの要素です。書こうとしている@テーマ、対象は何かについて述べている部分です。次に、そのテーマ、対象に対して、Aどのような問いを立てているかを述べている部分です。そして、最後に、その問いへの答えを出すために、Bどのような方法を使うかを宣言する部分です。


序論について

活動報告写真

 この@からBをパラグラフにして組み込んだものが「序論」と呼ばれるブロックです。従って、序論を書く場合は、この@からBの内容をハッキリさせてから書くことになります。
ただし、大学で履修した科目についてのレポートでは、予め、@が示されているのが普通ですので、ご自分で決めるのはAとBになるかと思います。もちろん、なんでも自由に書いてよい、というレポート課題もあり得ます。その場合は、全15回で扱ったトピックの中で、どれを対象にするかを@で書くことになります。ただ注意しなければならないのは、自由に書いてよいという課題であっても、@で選ぶテーマ、対象は、全15回の中で、教授自身が重要だと述べたトピックを取り上げるべきです。枝葉末節な、重要度が低いトピックを対象、テーマとすると、間違いではありませんが、レポート全体の評価が下がります。なぜなら、全15回で、重要なトピックを見分けることが、この学生には出来なかったのか?という疑念を生むことになるからです。

 大学で実際のレポート課題が出され、書き始めるのが、中間レポート(学期の中間時期に出されるレポート試験)がある6月上旬ぐらいでしょうか。それまでに、レポートを書く練習をしておくと、本番のときに、効率よく、サポート作成の作業を進めていくことが出来ます。
 さて、中間レポートや期末レポート(学期末に課題が出る、成績を決する重要なレポート)で、@のテーマや対象が、予め、教授から示される場合が多いかと思いますが、それに加えて、Aの、問いも、教授から示され、@とAがすでに決められていて、Bからご自分で決めて、序論を書く場合も、かなりのパターンであり得ます。その場合、Bをどうするかも、全15回の講義の中で、教授から示されている場合がありますので、それを、講義ノートを見ながら、じっくり考えてから、序論を考えることをお勧めします。


序論から始めるレポート練習

 質の高いレポートを書き、一つずつの大学の科目で、よい成績を取っていくために、レポートをぶっつけ本番で書くのではなく、書く練習をすることをお勧めします。
 その練習の際、序論、本論、結論を、すべて書くのではなく、まず、序論を正確に書けるようにするにして、ステップバイステップで、本論の練習、そして、結論の練習をしていくと、無理なく、レポートに習熟していきます。

【手順(素材として使うもの)】
(1) 新聞記事を使う場合
 新聞の単純報道記事では無く、解説記事を使います。何かの出来事が発生し、その原因や、その出来事の社会的影響を述べ、政府に、具体的な対策を具申しているような解説記事は、毎日の新聞の日刊紙の中に、いくつも発見できるかと思います。その中から、あなたが編入する学部学科の、中心的学問分野と関連する解説記事を利用します。経済学部であれば、経済の解説記事、経営学部であれば、具体的な経営事案に関する解説記事を使います。

 朝日新聞の電子版サービス「朝日新聞デジタル」

(2) 東洋経済ONLINEを使う場合 https://toyokeizai.net/
 経済記事だけでなく、広く社会問題についての解説記事が無料で読めるサイトです。このサイトで、あなたが編入する学部学科と関係があり、かつ、あなたが興味を持つ解説記事を選択し、それを題材にして、レポートの序論を書いてみます。

(3) WEB 世界 https://websekai.iwanami.co.jp/
 様々な社会問題を深く解説している記事を無料で読めるサイトです。

 これらの解説記事を読み、レポートの序論を書く練習をします。
 まず、@テーマ、対象は何かについて述べている、を書きだします。この解説記事は、何を対象にしているのでしょうか? 解説記事のタイトルやヘッダーから分かることですが、細かなニュアンスは、解説記事を通読してみないと分かりません。解説記事を通読してから、@を書き出してみましょう。
 次に、その解説記事が、Aどのような問題意識や疑問を持って、その対象を見つめているのか? それを書き出しましょう。この問題意識が問いにつながります。その問い(問題意識)がWHY(なせ)系であれば、その原因が答えであるわけです。
 その問題意識で対象(事件、出来事)を見て、答えを求めるにあたって、どういう方法で答えに迫っているのか、その部分の記述を書き出すことで、序論のBどのような方法を使うかを宣言する部分、になります。
ネット上のニュースはフェイクであるか、ハーフ・フェイク記事であるリスクがあるので避けましょう。
 解説記事を使って、まず、解説記事を通読し、その後、白紙の紙に、@テーマ、対象は何かについて述べているのか? Aどのような問題意識や疑問を持って、その対象を見つめているのか? Bその問いへの答えを出すために、どのような方法を使っているのか? を書き出す作業をしてみましょう。
 これを5例、10例と重ねることで、あなたは、レポートの序論書きに習熟してきます。レポートの中で序論の展開に自信を持てるようになってきます。単純な作業ですが、レポートの全体の質をあげるため、まずは、序論を書くコツを会得し、序論ブロックに自信を持てるようにしてみてはどうでしょうか。

 続いて、本論と結論を書く練習となります。これは別ページ「レポートとは何か (2)」で説明します。


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